
Zoomオンラインセミナーのプレゼンで資料を画面共有すると、通常は資料が大きく表示され、講師の顔は小さな画面で表示されます。
しかし、Zoomの機能を活用すれば資料と講師の顔を同時に映し、表情やジェスチャーで伝える印象的なプレゼンが可能になります。
今回は、Zoomで資料と自分の顔を同時に映す方法の設定や操作方法をご紹介します。
資料を画面共有すると参加者にはどう見える?
Zoomで資料を共有したとき、参加者の画面では共有中の資料やスライドが大きく表示されます。
講師のビデオは画面の端に小さく表示され、ビデオの並び順が変わったり参加者からの見え方が一定ではありません。
これは、Zoomの表示方法が参加者それぞれの設定によって異なるためです。
たとえば、参加者のZoom設定が次のような場合、参加者から見ている画面表示は次のようになります。
- パターンA:「左右表示モード(ON)」+「ギャラリービュー」

- パターンB:「左右表示モード(ON)」+「スピーカービュー」

- パターンC:「左右表示モード(OFF)」+「ギャラリービュー」

さらに、画面の大きさやウィンドウ表示の仕方によっても見え方の印象が変わります。
そのため、講師が「こう見せたい」と思って操作していても、実際には参加者の環境によって画面の見え方が少しずつ違っていることがあります。
こうしたズレをできるだけ減らすには、講師側で資料とビデオを1つの画面として表示する方法が効果的です。
この方法を使うと、参加者の表示設定に関係なく資料と講師の顔を同時に見せられます。
次の章では、その具体的な操作手順をご紹介します。
📌Zoom画面のビューの違いを詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
PowerPointを背景に使用して資料と自分の顔を映す方法
Zoomには、PowerPointのスライドを背景として表示できる機能があります。
その機能は画面共有の「PowerPointを背景に使用」です。(※Macの場合、「バーチャル背景としてのスライド」)
この「PowerPointを背景に使用」を使うとPowerpointの資料の前面にプレゼンターのビデオ映像を重ねて表示でき、まるで資料内に没入したかのようなスタイルでプレゼンをすることができます。
オンライン講座やセミナーで資料と講師の顔を同時に見せたいときに重宝します。
PowerPointを背景に使用する手順
「PowerPointを背景に使用」の操作手順は次の通りです。
- Zoomミーティングを開始する
- 画面下部のミーティングコントロールバーの「共有」をクリックする

- 共有ウィンドウの上部メニューの[詳細]タブをクリック
- 一覧の中から「PowerPointを背景に使用」をクリックする

- 使用したいPowerPointファイルを選択し、「開く」をクリック

- Powerpointのスライドが背景として表示され、講師のビデオがPowerpoint内に重なった状態で表示される(※アバターを使用)

- パワーポイントを進めるには、画面下部の(>)をクリック、戻るときは(<)をクリックする

- 共有を停止するときは、画面上部タブの「自分のスライド」の(…)をクリック、「共有の停止」をクリックする

顔の位置とサイズを調整する
共有されたPowerpoint内の自分のビデオ映像の位置やサイズは調整することが可能です。
以下の手順で操作をしてみましょう。
- 表示された自分のビデオをクリックし、枠を表示する

- 枠線内をクリック、ドラッグしてビデオ表示の位置を動かす

- 枠線の角をドラッグしてサイズを変更、調整する

講師のビデオ映像は右下に配置するのが一般的ですが、スライド内容に被る場合は位置を変えてバランスを整えると見やすくなります。

ワイプ風に見せる資料デザインのコツ
Powerpoint資料に講師のビデオを重ねる場合は、右側に少し空白をつくる構成が最も見やすいです。
- Powerpointのスライドの比率は「16:9」に設定
- 重要な文字や図は左寄せで配置
- 背景色は明るめにして、人物が自然に見えるように調整する
- 自分の顔が明るく見えるように、外見補正やライトの位置にも気を配る
このようにレイアウトを工夫すると、講師の姿がスライドの一部のように見えるワイプ風の映り方になります。
ビデオを一時的に非表示にする、再表示する方法
資料だけを見せたいときやビデオを一時的にオフにしたい場合は、次の操作で自分の映像を切り替えられます。
- スライド画面下の(…)をクリック
- 「ビデオをPowerPointから切り離す」を選ぶとビデオが非表示になる

- 再度ビデオを表示したいときは、同じ操作で「ビデオとPowerPointを統合」を選ぶ

「PowerPointを背景に使用」を使うときのポイントと注意点
「PowerPointを背景に使用」は便利な機能ですが、環境や設定によってはうまく表示されないことがあります。
ここでは、利用前に確認しておきたいポイントと、うまく映らない時のチェック項目をまとめました。
「PowerPointを背景に使用」機能を使うための条件
この機能を利用するにはZoomアプリだけでなく、パソコンの環境やいくつかの条件があります。
以下の条件を事前に確認しておきましょう。
| 項目 | 内容 | 補足 |
|---|---|---|
| Zoomアプリ | デスクトップアプリ (Windows/Mac) | ブラウザ版・スマホアプリは非対応 |
| Zoomのバージョン | 5.2.0 以降 | 最新版へのアップデートを推奨 |
| 必要アプリ(Windows) | Microsoft PowerPoint | ローカルにインストール必須 (オンライン版は不可) |
| 必要アプリ(Mac) | PowerPoint または Keynote | どちらかがローカルにインストールされていれば利用可能 |
| PC性能(必須条件) | バーチャル背景のシステム要件を満たすこと | |
| ネット環境 | 安定したWi-Fiまたは有線LAN | 通信が不安定だと映像が遅延することあり |
参考:リンク
ポイント① PowerPointをローカルにインストールしておく
パソコンにPowerPointがインストールされている必要があります。
特に注意したいのがMicrosoft 365(旧Office 365)のオンライン版だけを利用している場合です。
オンライン版のPowerpointではZoomと連携できないため、デスクトップアプリ版(ローカルインストール版)を使用しましょう。
macOSの場合はPowerPointに加えてKeynoteにも対応しています。
ただし、Keynote特有のアニメーション効果(マジックムーブなど)は再現されない場合があります。
ポイント②バーチャル背景に対応したPCを使う
「PowerPointを背景に使用」は、Zoomのバーチャル背景機能を利用して映像を合成しています。
そのため、パソコンの性能が要件を満たしていないと動作しない場合があります。
「バーチャル背景のシステム要件」はZoom公式サイトで確認できます。
要件をクリアしていても古いノートパソコンなどではCPUやメモリ不足により、共有ができない、表示が止まる、などが起こることがあります。
本番前に一度テストして映り方を確認しておくと安心です。
ビデオが表示されないときのチェックポイント
「PowerPointを背景に使用」で操作をしても講師のビデオが表示されない場合は、次の点を確認してみましょう。
- ZoomのビデオがOFFになっていないか
(ビデオアイコンに赤い斜線が入っていないか確認する) - 「ビデオをPowerPointから切り離す」を選択していないか確認する
- Zoomアプリが最新バージョンになっているか
- ネット回線が安定しているか
設定を見直すだけで改善することが多いのでチェックをしてみましょう。
📌Zoomアプリが最新状態かどうかを確認、実施する方法についてはこちらの記事を参考にしてください。
動作が重い・遅延するときの対策
スライド共有中に映像がカクついたり音声が遅れる場合は、通信状態が不安定かPC容量負荷が原因の可能性があります。
対策としてできることは次の通りです。
- 有線LANまたは安定したWi-Fiを使用する
- 不要なアプリを閉じてCPU利用率(負荷)を下げる
- Zoomアプリ設定 →>[ビデオとエフェクト] → 「HD」をオフにする
これでも改善しない場合は、一度ミーティングを退出してZoomアプリを再起動してみましょう。
アプリの再起動でキャッシュがクリアされ、動作が安定することがあります。
さらに不具合が続く場合は、パソコン自体を再起動してから再参加すると、メモリのリセットによって正常に動作するケースもあります。
プレゼンターレイアウト機能も活用してみよう
Zoomには「PowerPointを背景に使用」以外にも資料と講師のビデオを重ねて見せる方法があります。
それが「プレゼンターレイアウト」機能です。
この機能を使うと、講師のビデオとスライド資料の位置やサイズを自由にレイアウトすることができます。
この機能の大きな特徴は、PowerPoint以外の資料(PDF・画像など)でも利用可能という点です。
📌Zoomプレゼンターレイアウトの詳しい設定や操作手順、見せ方のコツについてはこちらの記事で紹介しています。
まとめ
Zoomで画面共有するとき、資料だけが大きく映り、講師のビデオは小さく映るため対面セミナーと比べるとやや単調に感じたり、印象に残りにくくなることがあります。
オンラインでも講師の存在感をしっかり伝えたい──
そんな時に活用できるのが、Zoom画面共有の「PowerPointを背景に使用」機能です。
この機能を使うと資料と講師の顔が同時に映せるため、プレゼンに臨場感が出て、よりわかりやすい印象になります。
スライドの構成やビデオの位置を工夫することで、見やすく印象に残る講義やセミナーに仕上げることができます。
Powerpoint以外の資料を使う場合は、「プレゼンターレイアウト」機能を利用すれば資料と講師の映像を組み合わせた自然なレイアウトができます。
今回のポイントをまとめると、次のようになります。
- 「PowerPointを背景に使用」で、スライドと講師のビデオを組み合わせて見せられる
- PowerPointやKeynoteはPCのローカルにインストールしておく
- バーチャル背景に対応しているパソコンが必要
- Zoomアプリを最新バージョンにしておく
- より柔軟なレイアウトをしたい場合は、「プレゼンターレイアウト」機能も活用できる
どの方法が自分の講座やセミナーに合うかを試しながら、参加者にとってわかりやすく印象に残るプレゼンづくりを目指してみましょう。
【こちらもおすすめです】
オンラインセミナーで印象に残るプレゼンをしたい!という方はZoomにどんな機能があるかを知っていると柔軟に対応てきます。
ぜひ、Zoomの画面共有のすべてを網羅したまとめ記事も確認してみましょう







