
Zoomでプレゼン資料を画面共有したとき、「自分の映像も一緒に表示したい」「映り方を工夫して印象をよくしたい」と思ったことはありませんか?
そんな希望を叶えてくれるのが、Zoom画面共有の「プレゼンターレイアウト」機能です。
Zoomの画面共有機能に新たに加わったこの機能を使えば、話し手の映像と資料を同時に見せることができ、視聴者の理解度や集中力アップに繋がります。
特に、オンライン講座・営業プレゼン・録画コンテンツなど「資料と映像を同時に伝えたいシーン」で効果を発揮します。
今回は、Zoomの画面共有、プレゼンターレイアウト機能の基本から設定・操作手順、録画への反映方法まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
Zoomのプレゼンターレイアウトとは?
Zoomのプレゼンターレイアウトとは、画面共有中に自分のビデオ映像を資料に重ねて表示できるレイアウト機能です。
共有したい資料と一緒に、話し手の顔や身振りが見えることで、オンラインでも視覚的に伝わりやすい発表が可能になります。
プレゼンターレイアウトとは?
プレゼンターレイアウトを使用すると、Zoomの画面共有中に、共有者のビデオ映像を資料の上や横に自由に配置して表示できます。

Zoomにはこれまで、画面共有機能にPowerPointをバーチャル背景として使用する機能「PowerPointを背景に使用」という似たような機能がありました。
プレゼンターレイアウトはこの「PowerPointを背景に使用」とは異なり、PowerPointのみならず、PDF、ブラウザ、動画など、さまざまなコンテンツの共有に対応しているのが特徴です。
また、次のような特徴があります。
- ビデオ映像のサイズや位置はドラッグ操作で変更可能
- 背景は、好きな壁紙を設定できる
- レイアウトは共有中でも変更できる
- コンピュータ録画も可能
視覚的にわかりやすく、録画にもそのままレイアウトが反映されるため、動画資料作成やセミナーや講座のアーカイブ動画作成にも役立ちます。
📌Zoom画面共有の「PowerPointを背景に使用」について詳しく知りたい方はこちらも参考にしてください
活用シーンとレイアウトの利点
プレゼンターレイアウトは、視覚的に情報を伝える力を高めたいときに使うとよい機能です。
Zoomの画面共有をより見やすく、印象的にしたい場面で使うとよいでしょう。
活用シーンとして、次のようなシーンで使える可能性があります
- オンライン授業や大規模ミーティング
- 社内プレゼンや営業資料の説明
- 録画コンテンツ作成やYouTube配信動画作成
ビデオ映像の配置や大きさをアレンジし、「映像+資料」が一体となった見やすい画面構成を実現できます。
プレゼンターレイアウトを使うための前提条件
Zoomのプレゼンターレイアウトを利用するには、事前にいくつかの環境や設定を整えておく必要があります。
ここからは、機能を使用するうえで確認しておきたい前提条件について解説します。
プレゼンターレイアウト機能の有効化
プレゼンターレイアウトを使用するには、Zoomウェブポータルの設定で「画面共有プレゼンタビュー」を有効にしておく必要があります。
- Zoomのウェブポータルにサインインする
- 左メニューの「設定」をクリックし、検索窓に「プレゼンター」と入力する
- 「画面共有プレゼンタビュー」のトグルがONになっていることを確認する

この設定がオフになっていると、Zoomデスクトップアプリの画面共有パネル内でプレゼンターレイアウトのオプションが表示されません
Zoomアプリの対応バージョンとZoomアカウントの条件
画面共有プレゼンターレイアウトを利用するには、Zoomのデスクトップアプリが必要です。
モバイルアプリやブラウザ版では対応していないため注意が必要です。
また、Zoomアプリのバージョンによってはこの機能が表示されないことがあります。
アップデートを行っていない場合、画面共有レイアウトの選択が表示されないことがあります。
必ず最新版へのアップデートを確認しておきましょう。
アカウント種別については、無料アカウントでもプレゼンターレイアウト機能を利用することができます。
📌Zoomデスクトップアプリを最新の状態確認したり更新する方法について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
選べる4種類のプレゼンターレイアウト
Zoomプレゼンターレイアウトは、複数のスタイルが用意されています。
ここでは選択できる4つのレイアウトについてご紹介します。
なお、ここでの「ビデオ映像」とは、自分自身のビデオを指します。
レイアウト① コンテンツのみ(ビデオ映像なし)

コンテンツのみを共有し、共有資料のみを画面いっぱいに表示するレイアウトです。
共有者のビデオ映像は表示されません。
レイアウト② 背景として

共有資料を背景全体に配置し、その上にビデオ映像を重ねて表示します。
ビデオ映像と資料やスライドを一体化させた印象を与えることができます。
このレイアウトは、ビデオ映像の大きさ、配置を自由に変更することができます。
レイアウト③ 肩越し

デフォルトで資料と一緒に共有者のビデオ映像を左下に小さく重ねて表示します。
このレイアウトでは、ビデオ映像の位置、大きさ、また、資料の大きさも調整が可能です。
また、資料とビデオ映像の背景に、選択した壁紙を表示させることもできます。
レイアウト④ 左右表示

共有資料と共有者のビデオ映像を左右に並べて表示する形式です。
資料と表情をバランスよく見せたいときに使えます。
このレイアウトの調整では、ビデオや資料の大きさ、位置を調整することが可能です。
また、背景に選択した壁紙を表示することも可能です。
Zoom画面共有レイアウトの設定方法と使い方
Zoomのプレゼンターレイアウトは、操作に特別な知識がなくても使えるシンプルな設計になっています。
ここからは、実際にレイアウトを適用して画面共有を開始するまでの流れと、共有中に変更する方法について具体的に解説します。
画面共有プレゼンターレイアウトの操作手順
Zoomでプレゼンターレイアウトを使って画面共有を開始するまでの基本的な操作手順についてです。
複雑な操作は必要なく、数ステップで簡単にレイアウトを選択できます。
- Zoomミーティングを開始または参加する
- 画面下、ミーティングコントロール内の「共有」ボタン(緑色のアイコン)をクリックする

- 開いたパネル内から共有したいウィンドウやアプリケーションを選択する(例:PowerPoint、PDF、ブラウザなど)
- 操作パネル画面右側に表示される4つのプレゼンターレイアウトの中から1つを選択する
- コンテンツのみ
- 背景として
- 肩越し
- 左右表示
- プレビューで表示内容を確認し、「共有」ボタンをクリックする

これで、選んだレイアウトで画面共有が開始されます。
このように、レイアウト操作は直感的で共有資料とビデオ映像の配置パターンを選ぶだけです。
共有前と共有中のレイアウト確認方法
実は、共有者のZoom画面ではプレゼンターレイアウトを設定しても、反映されていないように見えるため、設定した通りに参加者に表示できているかどうか不安を感じることがあります。

Zoomのプレゼンターレイアウトは、共有前と共有中で確認の方法が異なります。
ここでは、それぞれの確認方法を整理してご紹介します。
共有前に確認する方法
Zoomでは、画面共有を開始する前に、レイアウトのプレビューを確認することができます。
- Zoom画面、ミーティングコントロール内の「共有」ボタンをクリック

- 共有したい画面またはウィンドウを操作パネルから選択する
(画面全体、アプリケーションウィンドウ、画面の一部分、ビデオファイル、第2カメラから選択可能) - 画面右側に表示される4つのレイアウトを選択クリックする
- 選択したレイアウトのプレビューがパネル上部に表示される

このプレビューでは、
- 共有者のビデオ映像が資料とどのように重なるか
- どの位置に表示されるか
を事前に確認できます。
そのため、カメラ映像の位置やサイズ、資料との重なり方を確認してから共有を開始できます。
ただし、[画面の一部分]、[ビデオファイル]、[第2カメラ]では具体的な画面は示されず、おおよその位置にビデオが表示されるのみです。

そのため、実際に共有を開始してから、調整をする必要があります。
共有を開始してからの確認、調整については次に解説します。
共有中に確認する方法
画面共有を開始した後、自分の画面にプレゼンターレイアウトを確認したい場合は、次の方法で確認できます。
- Zoom画面上部の緑色の「画面共有中」バーにマウスカーソルを近づける
- 表示される「⋁」をクリックし、プレビュー画面を表示させる

これで、どのような画面表示になっているか確認でき、他の人にどのように見えているかを把握することができます。
また、別の端末でミーティングに参加し、参加者としての表示を確認することでも確認をすることができます。
このように、共有前と共有中の確認方法を押さえておくことで、より安心してプレゼンテーションを進めることができます。
共有中にレイアウトを変更する方法
プレゼン中に話題や資料の内容が変わったとき、また、資料やビデオの位置や大きさのレイアウトを調整したくなることがあります
Zoomでは、画面共有を止めずにレイアウトを変更することが可能です。
操作方法は、次の通りです。
- 画面共有中のミーティングコントロールバー内に表示される「レイアウト」アイコンをクリック
- プレゼンターのレイアウトが別ウィンドウとして開く

- 開いたウィンドウからレイアウトを選択したり、ビデオパネルや資料の位置、大きさを調整する
- [画面の一部分]は、プレビュー画面を見ながら調整するとよい
- [ビデオファイル]の共有では共有中の切り替えでは、プレビュー画面が表示されないため、
- 調整が済んだら、右上の「閉じる✖」をクリックする
このように、画面共有を中断することなく、リアルタイムにレイアウトを自由に変更できるようになっています。
切り替えの必要がある場面では、事前の準備や資料構成を工夫しておくとスムーズです。
レイアウトの調整方法
プレゼンターレイアウトは、ビデオと資料の位置、大きさを変更したり調整することが可能です。
いづれも、プレビュー画面内で大きさや位置を調整したい対象ビデオ(人物)or資料をクリックし、水色の線の枠を表示させた後、操作します。

レイアウト②の「背景として」はビデオのみ位置、大きさを、変更でき、背景の大きさは調整されません。

一方、「③肩越し」「④左右表示」では、ビデオや共有資料の位置、大きさを調整、変更することが可能です。

Zoom録画におけるレイアウトの反映と注意点
Zoomのプレゼンターレイアウトは、録画にも影響があります。
ここからは、録画への反映状況や注意点について詳しく見ていきましょう。
プレゼンターレイアウトは録画にどう映る?
プレゼンターレイアウトは、Zoomのローカル(コンピュータ)録画に限って反映されます。
クラウド録画では、このプレゼンターレイアウトは反映されず、クラウド録画で設定した通り録画レイアウトになるので注意が必要です。
ローカル(コンピュータ)録画ファイルには、画面共有時に選択したレイアウトの状態がそのまま記録されます。
そのため、どのような録画レイアウトが欲しいか、事前にレイアウトを選択し、プレビューで確認しておくとよいでしょう。
📌Zoomにある二つの録画機能は、録画される画面パターンが大きく異なります。
その違いについて詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
録画中にレイアウトを変更した場合の挙動
Zoomミーティングで録画中に、画面共有レイアウトを切り替え、変更した場合、そのタイミングでレイアウトは切り替えられ、表示された画面レイアウトそのままが録画されます。
数種類の資料を画面共有した場合、それに合わせてレイアウトを切り替えることが可能で、切り替えたとおりに、録画がされます。
録画が完了したら、Zoomのローカルフォルダに保存されたMP4ファイルを再生し、レイアウトが意図通りになっているか確認してみましょう。
録画の確認方法(ローカル録画)
クラウド録画ではプレゼンターレイアウトは反映されないため、映像の確認対象は主にローカル録画ファイルとなります。
録画が完了したら、Zoomのローカルフォルダに保存されたMP4ファイルを再生し、レイアウトが意図通りになっているか確認します。
📌Zoomレコーディング(録画)の保存箇所の確認方法を知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
ローカル(コンピュータ)録画の設定のヒント
画面共有レイアウトで録画すると、設定によっては画面共有上に自分のビデオ映像と、さらに右側にも自分のビデオが映った状態で録画されることがあります。
Zoomの録画データで、動画資料を作成したい場合、自分のビデオは共有資料内のみでよい、ということがあります。
その場合、Zoomレコーディングの設定を以下のようにすると、画面共有レイアウトのみで自分のビデオを表示することができます。
設定の方法は次の通りです。
※Zoomミーティングを始める前に、Zoomデスクトップアプリの設定を完了してください。
- Zoomデスクトップアプリを起動し、サインイン
- [ホーム]画面の右上、歯車マークアイコンをクリック

- 左メニュー「レコーディング」をクリック
- 「レコーディング設定」内の「画面共有時のビデオをレコーディングする」の設定をOFF(グレイ)にする

これで、Zoom画面共有レイアウトで録画した時に、自分のビデオ映像が2か所で表示されるのを防ぐことができます。
Zoom画面共有レイアウト活用のアイデア
プレゼンターレイアウトを最大限に活用するには、具体的な使い方や見せ方の工夫も重要です。
ここでは、特に活用が期待されるシーンや、映像の見せ方に関するヒントを紹介します。
オンライン講座や社内研修での実例
講師やスピーカーの顔と資料を同時に見せられるプレゼンターレイアウトは、オンライン講座や社内ミーティングに非常に適しています。
以下のような使い方が効果的です。
- 教育系の講義:講師の顔とスライドを同時に提示し、親近感と集中力を高める
- 社内研修:説明と資料を並行して進行し、理解度を高める
- 社外向け説明会:デモ画面と解説を組み合わせ、参加者の納得感を高める
背景や映像配置で印象をアップさせる工夫
Zoomのプレゼンターレイアウトは、背景やカメラ映像の見せ方でも印象が変わります。
以下の工夫が効果的です。
- 壁紙を設定して、画面全体の印象を整える
- 「コンテンツのみ」以外を使用する場合、資料との重なりを避けて視認性を確保する
- カメラの角度や照明を調整し、表情が伝わる映像にする
- 必要に応じてレイアウト内の映像サイズを調整し、視認性とバランスを取る
これらの工夫により、プレゼンテーションの質をさらに向上させることができます。
まとめ
Zoom、画面共有のプレゼンターレイアウト機能は、資料と映像を効果的に組み合わせて、より伝わるプレゼンテーションや講義を実現する強力なツールです。
設定や操作に慣れれば、オンラインのクオリティを一段階高めることができるはずです。
また、資料動画や、SNS用の動画作成のシーンでも役に立つ可能性が高いです。
まずはご自身のZoom設定を確認し、ローカル録画やレイアウト変更も含めた一連の流れを試してみてください。
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📌Zoomには、ミーティングを開くことなくレコーディングできる「Zoom Clips⁽クリップ)」という機能があります。
この「Zoom Clips⁽クリップ)」は、社内チームや、クライアントへの視覚的情報共有、伝達等に活用することができます。
「Zoom Clips⁽クリップ)」について、詳しく知りたい方はこちらの記事で解説しています。